まいど。ファンクラ編集部お酒と格闘技担当のブロンソンです♪
前回の記事で現役最年長42歳の世界王者マニー・パッキャオ選手の試合の観戦記をお伝えいたしましたが、ボクシングの歴史の中では更に高齢でチャンピオンに輝いた例があります。
今回は老いをものともしない偉大なボクサーたちをご紹介したいと思います。
日本最高齢世界王座奪取は?
世界記録をご紹介する前にまずは日本記録から。
最年長世界王座奪取の日本記録は我らが「長谷川穂積」選手の35歳9か月!
2016年9月16日エディオンアリーナ大阪でのWBC世界スーパーバンタム級王者ウーゴ・ルイス(メキシコ)との試合でした。
WBCバンタム王者として10度防衛を果たしたスーパーチャンピオンですが、その後2度の世界挑戦に敗れ、負ければ引退と臨んだ3階級制覇の懸かった一戦での劇的王座奪回となりました。
9R、チャンピオンの左アッパーからの連打。ロープに追い詰められ、絶体絶命の状況から長谷川はガードを解き放ち応戦。殴り勝ったのは長谷川選手でした。
チャンピオンは、10R開始のゴングが鳴っても、コーナーから立ち上がることはできず、日本最高齢世界王座奪取となりました。
感動的な試合内容にTVの前で筆者も涙を堪える事が出来なかったのを覚えています。
世界最高齢王座奪取は?
世界記録保持者はバーナード・ホプキンス選手(米)!
「死刑執行人」のニックネームを持つミドル級とライトヘビー級の2階級制覇王者で、ミドル級では4団体統一も果たしたスーパーチャンピオンです。その記録はなんと49歳3ヵ月!!
2014年4月にベイブット・シュメノフ(カザフスタン)に判定勝ちで、WBA世界ライトヘビー級スーパー王座獲得に成功。その後の防衛戦でセルゲイ・コバレフ(ロシア)に敗れ王座を陥落します。
引退試合はなんと!?
王座陥落したホプキンスですが、引退試合は2年後の2016年12月17日(日本時間18日)に行われました。年齢なんと51歳!
27歳の対戦相手ジョー・スミス選手に大善戦。しかし8R、スミス選手の圧力に負けてリング外に落下。試合続行が不可能となりTKO負け。
歴代ボクサー最強説もあるホプキンス。51歳でようやく引退って…相当なフィジカルを持っていた事は間違い無いですね。
過去の偉大な最高齢記録
最近はパッキャオ選手(43歳)、ドネア選手(38)など、アラフォー世界王者の活躍がもはや当たり前となってきました。
しかし、20代後半でボクサーは引退するのが当たり前だった約20年前に偉大な記録を成し遂げた選手がいます。
ジョージ・フォアマン(米)その人です。実は筆者が最も好きなボクサーの一人!
現在72歳のフォアマンは1968年メキシコシティーオリンピックボクシングヘビー級で金メダルを獲得。
プロ転向後も「象をも倒すパンチ」と言われたパンチ力でKOの山を築きます。
1973年に当時最強と言われた29戦全勝(25KO)のチャンピオン、ジョー・フレージャーを2RTKOで破り王座を獲得。
しかしながらアフリカ、ザイールのキンシャサでモハメド・アリに41戦目でキャリア初黒星を喫します。(『キンシャサの奇跡』)
恵まれない子供たちのための現役復帰
その後28歳でボクサーを引退し、キリスト教の牧師に転身しますが、地域の青少年の更正を目的にスポーツ施設「ジョージ・フォアマン・ユースセンター」を教会に併設。
引退から10年、ユースセンターの運営継続が困難な状況となり現役復帰を決意します。
37歳からの現役復帰、140キロを超えた体重に周囲の失笑からのスタートでしたが、破竹のKO劇を繰り広げます。
91年4月にはついに世界ヘビー級3団体統一王者イベンダー・ホリフィールド(米国)に挑戦。敗れたものの12R闘い切った姿は全世界の中年に夢を与えました。
45歳、奇跡の逆転KO
94年11月。45歳のフォアマンはついに奇跡を起こします。
19歳年下の無敗の王者マイケル・モーラー(米)とのWBA、IBF世界ヘビー級タイトルマッチ。
序盤から一方的なモーラー攻められ続け、ワンサイドマッチでモーラーの防衛かという流れだった10R。フォアマンのワンツーがモーラーの顎を打ち抜き、チャンピオンは腰からキャンバスに崩れ落ちる。
仰向けに天を見上げるモーラーの焦点は合っていない。このまま10カウントで試合は終了。
当時高校一年生だった筆者もこの逆転KO劇には大興奮したのを今でも覚えています。
今回はフォアマンの名言で締め括りたいと思います。
「老いは恥ではないのだよ」
筆者と同じ全ての中年世代へ送ります。では!